awareness

あなたに意識を、あなたに気づきを

「東京リベンジャーズ」の影響とやらを知る

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事の発端は

馴染みのバイク屋さんがため息をついた。聞いてほしそうなため息に、思わず声を掛けざるを得なかった。自分は手袋を買いに来ただけなんだが仕方ない。

彼は「○○君さ、東京リベンジャーズって知ってる?」と切り出すと、その作品の影響か、作中に登場するマイキー及びドラケン、イザナに似た髪型の若者のお客が増える一方、バイク関係のトラブルも増えているとのこと。

バイクに関心が向くのは嬉しい反面、バイク好きとしてはバイクを一時のファッションのように乗ってほしくない、ましてや格好つけのためにバイクの命を削るような乗り方は到底許容できず、一般の人との溝が深まるばかりだ。と嘆いていた。

本当にそうだろうか?

と思った。何か悪いニュースがあると、テレビでアニメやゲームの影響だという理不尽な叩きが繰り広げられているのを見ていた世代にとっては、まーた始まったよ。という思いもあった。ただ、美容室でも同じように同じような話をされた時、自分が思っているよりも影響が大きいのか?と思い、それならばと漫画を読んでみることにした。

ファンタジー漫画だこれ。と最初は思った。自分は所謂「不良マンガ」に造詣が深くないので、どうしても現実との乖離にばかり目が行ってしまい、こんなんが跋扈してたらもう世紀末じゃん、と感じた。がしかしこれは恐らくあえて「こんなんあり得ない」ように描写されており、安易に真似できない、真似させないという工夫なのかなと感じた。極端に喫煙シーンが無いのも「少年マンガ」だからだろう。

また、こういう漫画に欠かせない存在であろうバイクに関しても、確かに只の「不良アイテム」ではなく、欠かすことの出来ない相棒のような位置づけで、あのバイクが無ければこの物語はそもそも始まってなかったんじゃと思わせるエピソードもある。確かにこれを読んで興味を持つ気持ちもわかる。

ただ現実に彼らのようにバイクを駆る人達は少なく、実情はふかした煙草を路上に捨て、どうにもならない現実からの一時の逃避という所謂「不良アイテム」として用いられることが多い、とのことなのだろう。それは確かに残念だ。

強く、格好良く、仲間に囲まれれる彼らに憧れる気持ちはわかる。ただ、その強さや格好良さは彼らの生き様や信念、姿勢から来るものでは無いだろうか。少なくとも自分は漫画を読んでいてそう思った。形から入ったって構わないが、彼らのようになりたいのであれば、タケミっちのように泣きべそかきながらも、何度も何度も理不尽な現実に立ち向かう人を目指すべきだ。

どうか道から逸れる為にバイクに乗るのではなく、まっすぐ突き進むためにバイクに乗って欲しい。