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「ASTRAL CHAIN」クリア後感想

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昨日発売となったNINTENDO SWITCH専用ソフト「ASTRAL CHAIN」
アクションには定評のあるプラチナゲームズが開発ということで
楽しみにしていた方も多いのではないでしょうか。
とりあえずクリアして、クリア後のやり込みも大体終わったので感想でも。

  • アクションゲーム上級者向け…と思いきや

プラチナといえば非常に爽快なアクションが売りでありながら、同時に非常に
高度な操作を要求されるものが多く、本作は「レギオン」という仲間を使役しながら
戦うということで、従来のゲームより更に腕を要求されるように思えるが
実際のところ、レギオンはある程度自動で戦ってくれるし、良くも悪くもプレイヤーの
アクションはそこまで豊富では無い為、覚えることは少ない。
あまりコンボ等は考えず、必要な時にレギオンの力を借りるために指示を出す。
という感じなので、アクションが苦手な人にも安心な出来になっている。
それでも滅茶苦茶に格好の良いアクションを行っているように見えるのは
プレイヤーとレギオンというバディのお陰であり、この辺りの魅せ方は流石だと思った。

アクションが苦手な人向けに「ニーア・オートマタ」でも実装されていた
回避から攻撃まで、殆どの行動を自動で行ってくれるというシステムが導入されており、
ストーリーだけを楽しみたい人はこの「守護」システムをONにするだけで良い。
このシステムはニーアの時より進化しており、自動にする行動を非常に細かく
設定できるようになっている。なので攻撃は自分でやりたいけど回避は苦手だから
自動で行うように設定するといったことも可能だ。このシステムはもう全ての
アクションゲームで導入すれば良いんじゃと思うくらい便利。

試しに全自動でゲームクリアまで出来るか試してみたが、無事にクリアまで到達出来た。
但し、このシステムをONにしてしまうとリザルト評価が得られなくなってしまうのと
画面にデカデカと「守護モードON」と表示されてしまうデメリットも存在する。
後これは意図してやったことかもしれないが、ニーアの時より自動モードの精度が
落ちたと感じた。ニーアの時は本当にダメージを食らう機会が無かったが、本作だと
適度にダメージを貰っており、敵への攻撃への移行も若干の不自然さを感じたのは残念。

  • ストーリーモードに関しては

プラチナと言えば良い意味でダサかっこいいというか、独特のセンスの魅せ方が魅力だと
個人的には思っているが、本作もそれは健在で、安心のプラチナクオリティを楽しめる。
特にラスボス戦のトドメムービーはプレイヤーがやって欲しいと思っていることを全部
詰め込んだアクションシーンとなっており、こういう欲しい物をしっかりとくれる所が好き。
但し、従来のプラチナ作品の主人公達は割と精神に余裕があったり、物語の合間に
多少のギャグなんかを挟んだりして緩急がしっかりしていたが、本作は全編通してシリアスで
主人公たちに全く余裕が無く常に必死で張り詰めているので、通しでプレイすると
話の重さも相まって疲れてしまうのは残念だった。お遊び要素はもう少し欲しかったかなと。

ボリュームに関しては多すぎるくらい盛り沢山。基本は一本道で章ごとに分かれている物語を
プレイしていく感じだが、章ごとにサブクエストや収集アイテム等のやり込みが非常に多く
全てを回収してクリアを目指すなら50時間程度は覚悟した方が良いかもしれない。
恐らくサブクエをすっ飛ばしてストーリーだけ追っていっても15時間程度はかかるかと。

強くてニューゲーム等は無く、チャプターセレクトで任意に戻るといった仕組み。
クリア後は依頼をこなしていくのだが、こちらも非常に数が多く、最後にはラスボス
よりも強い隠しボスが待ち受けている。尚このクリア後の任務については前述した
「守護」モードが使えないのでやり込みも視野に入れている人は、最初から使わず
進めた方が後々楽になるので気をつけること。倒して真エンディングということは
無いので、あくまでやり込みの範疇となっているのでご安心を。

  • 残念だった点

これまでも幾つか残念だった点については挙げてきたが、一番「これは…」と感じたのは
キャラクターメイキングは果たして本当に必要だったのか?という点。
本作はプレイヤーが操作する主人公の容姿や名前を自由に変更できるのだが、このせいで
ムービー中は喋ることはなく、息遣い等しか発さない。勿論キャラが自らの名前を呼んで
くれることも無いので、多くのムービーで違和感が出てしまうのは何だかなという感じ。

これはプレイヤーキャラだけでなくどのキャラもそうなのだが、基本的に表情が硬く
何を考えているのか、何を思っているのかが汲み取れず、声優さんの演技に任せっきり
な感じは次回作での課題だと思います。この辺りは技術的な課題もあったのかもしれないが、
主人公が無口なのを「お前は昔からそういうヤツだったな」で片付けしまうのは如何かと。
せめて仲間がピンチの時くらいはキャラの名前を叫んで欲しかった。この辺りの違和感が
物語の面白さに水を差している感じで、冷めてしまう人も多いのではと思う。

無理せずキャラメイクを入れず、固定の主人公でも充分魅力ある作品になったと思うし
アキラとの関係性も考えると、固定にするべきだったかと思います。
無口の設定にするのであれば、レギオンの使役の代償で声が出せないとか
しっかりと設定に盛って欲しかったかなと。同じようにキャラメイクできて無口な主人公を
操作する「GOD EATER」というゲームがあるが、最後の最後に熱いセリフを一言だけ喋らせる
ことで非常に盛り上がったという事例もあるので、次は頼みます。

他のことで言えばカメラの挙動が今ひとつとか、ステルスパートは必要だったのかとか
ビーストレギオンの旋回挙動がリアル寄り過ぎてイマイチとか、戦闘評価が結構アバウトで
割と簡単に最高ランクを獲得できてしまうとかはあるが、まあこの辺りは掘り下げて書く程
不満には感じなかったので列挙するだけにしておこうかと思います。

  • 最後に

このゲームの為に久しぶりにNINTENDO SWITCHを起動するほど期待していましたが
物凄くオススメかと言われると微妙ですが、非常に良く出来たゲームだったかと思います。
インタビュー等を読んでいないので開発スタッフは憎きイケメン田浦氏しか知りませんが
恐らくプラチナでも若い人達が集まって作った作品なのではという印象を受けました。
練度は高くないものの、しっかりとオンリーワンな魅力は感じましたので
気が早いですが次回作も是非購入したいと思いました。開発の皆さん、お疲れさまでした。

ASTRAL CHAIN(アストラル チェイン) -Switch

ASTRAL CHAIN(アストラル チェイン) -Switch