久々に
「お金」とそれに関わる人々を描く作品は数多く存在するけれど、どの作品も非常に中途半端なものが多い。実在の著名人の名言紹介漫画になってしまったりとか、原案が無いまたはリサーチ不足で描写がありきたりなものになってしまったりと、いち投資家として日々お金の動きに関わる自分としては、このジャンルの漫画に傑作は出ないだろうなと思っていた。
…と思っていたのだが、傑作になる可能性を秘めた、現段階で非常に面白く、「読ませる」漫画が登場した。それが「トリリオンゲーム」だ。100兆円あればこの世の全てが買えちまうんだと、100兆稼ぐ為にタッグを組む最強の二人のお話。とんでもねえ展開が続くが、決して現実から逸脱せず、「ありえるんじゃないか」と思わせる描写は見事だと思う。
投資家として日々お金と向き合っていると、お金ってなんだろうと思うことがある。そして、ある程度投資が成功してくると、今度は「人」に投資したくなってくる。もしこの文を投資家の方が読んでいて、貴方がある程度成功しているのであれば、恐らく同じように思うことがあるはずだ。
そんな「投資したくなる人」がこの漫画では描かれている。自分はお金や投資の話は家族や親友としかしない、集まりやセミナーには絶対に行かないと決めている。別に有名になりたいわけじゃないし、もうそんなことをする必要が無い。お金が絡む集まりは必ず綻びが出るし、個人情報を晒してまで会う魅力を感じない。リスクが大きすぎる。
ただ、そんな自分も「ハル」と「ガク」のような二人が存在するならば、会ってみたいと、会わせて欲しいと思う。難しいお金の知識なんていらない。純粋に楽しめるエンターテイメント作品なので是非読んでみて欲しい。